ドイツの国境からも近く、美しい町並みと独特な文化を持つ、フランス・ロレーヌ地方のアルザス。まるでおとぎ話の世界に入り込んだようなその景色に、人々は魅了されます。
アルザスには「フランスの最も美しい村 」協会に選ばれた6つの村も点在。旧市街が世界遺産にも指定されているストラスブールを拠点に、木組みの家が建ち並ぶ可愛らしい雰囲気の村々を巡ってみませんか?
今回はドイツ在住のファミリーが実際に旅行をした体験談をご紹介♪
「フランスの最も美しい村 」
フランスの「最も美しい村」(Les Plus Beaux Villages de France)協会は、1982年に設立され、この協会に加盟するには、特定の基準に達する必要があります。
アルザス地方の「最も美しい村」
- エギスハイム Eguisheim
- ミッテルベルグハイム Mittelbergheim
- アンスパック Hunspach
- ユナヴィール Hunawihr
- リクヴィール Riquewihr
- ベルグハイム Bergheim
アルザス旅行記
今回、アルザス地方の村々を巡る旅の体験談を頂いたのは、ドイツ・NRW州在住のMaiさん。幼児のお子様2人連れのドライブ旅行で巡った素敵な家族旅行を詳しく教えてくださいました。
今回アルザスの街や村を周りましたが、一番よかったのはエギスハイム。カラフルな木組みの家々とお花にあふれたかわいさが異次元でした。コウノトリを間近で見られたことも感動!
Maiさんの実際に訪れた町や観光名所、レストランや宿泊ホテルの感想などをご紹介します。
お土産情報も要チェックです♪
①世界遺産の古都「ストラスブール」
ストラスブール(Strasbourg)はイル川で取り囲まれた区域が、全体がユネスコ世界遺産に登録され、歴史的な建物と自然の調和が美しい古都です。見どころの多い旧市街は川に囲まれていてわかりやすい!
観光スポット
ノートルダム大聖堂近辺のエリア
大聖堂は目立つので歩く時の目印になるし、上に登って街を一望することもできます。登るのは300段以上の階段、ベビーカーは不可ということで断念。
ノートルダム大聖堂のすぐ近くに、遊覧船の乗り場があり、30分コース、1時間コースなど選べます。事前のオンライン予約がおすすめ。私たちは旧市街を囲んでいる川を一周+αの1時間15分のコースに乗船しました。オーディオガイドがついていて、日本語も選べます。観光名所なども紹介してくれるので、町にきたらまず最初に乗るのもおすすめ。
プティット・フランスのエリア
木組みの家々が美しいエリア。遊覧船も通ります。ストラスブールは町全体にかわいい建物がたくさんありますが、ここはモノトーンの木組みの家が美しく並んでいて写真スポットになっていました。子供用の広い公園もあるので子連れにおすすめ。水遊びもできます。このあたりもお土産屋さんやレストランがたくさんあるので、あっという間に時間がすぎました。
ストラスブール・レストラン
Restaurant Au Dauphin
ランチで利用。直前にGoogle mapから席を予約できました。日陰のテラス席が気持ちよかったです。アルザス名物、シュークルートがおいしく、子供用メニューもあり。
Le Thomasien
ディナーで利用。夜は19時オープンの店が多いのですが、ここは18時オープンなのが子連れには◎。お店の人がとてもフレンドリーで、フラムクーヘンがとてもおいしくおすすめ!店内もアルザスっぽくてかわいいです。
ストラスブール・宿泊ホテル
LIFE CATHEDRALE CITY-Center Place Gutenberg
ノートルダム大聖堂付近のキッチン付きのアパートメント。旧市街の中心部のため、観光スポットやスーパーへは徒歩10分ほどで行けてとてもよかったです。駐車場は24時間で35€と割高。宿の専用駐車場は宿からは少し遠く、荷物を運ぶのに苦労しました。宿の目の前は賑やかな広場でしたが、2重窓で騒音は感じず、エアコンもあって快適!
Photo:©Booking.com
町の中心部に宿泊の際は、事前に駐車場の場所や金額もチェックしておくと良いかも◎
②アルザスワインで名高い「リクヴィール」
ワインのブドウ畑が一面に広がる、優美な村リクヴィール(Riquewihr)。 ストラスブールからコルマールへ行く途中に位置し、「フランスで最も美しい村」に登録されています。歴史ある城壁や、アルザスで一番高い木組みの民家も見どころで、質の高いワインでも知られています。
「アンシ博物館のお土産がかわいい」という情報を得たので行ってみました。 村はとてもこじんまりしていて、入り口の門から有名な塔まで、まっすぐゆるやかな坂道になっていて直線で歩くと15分くらい。途中、かわいい木組みの家々、ワインバーやカフェ、お土産屋が並んでいます。アンシの博物館は残念ながらすでに閉鎖。ひとしきり写真を撮って、滞在時間は2時間ほどで満足でした。
③「コルマール」でジブリの世界に迷い込む
ドイツの国境に近く、可愛らしい家々と自然に囲まれた町、コルマール(Colmar)はジブリの「ハウルの動く城」の舞台とも言われています。
観光スポット
コルマール旧市街
見どころは旧市街に点在しているためコンパクトに周りやすかったです。1日目はドミニカ教会付近のエリアへ。大きな教会なので歩く時の目印になります。お土産屋さん、レストランで賑わうエリア。大きなモノプリ(スーパー)もあって、ここで雑貨や洋服、バターなどの食料品のお土産を買うのも楽しかったです。
ラ プチ ヴェニス(小さなヴェネチア)
小さなヴェネツィアと呼ばれるラ・プチ・ヴェニス(プティット・ヴェニス)La Petite Veniseは、水路にゴンドラのようなボートが往来し良い雰囲気でした。ボートのチケットはネットで事前予約可能。25分のコースで、ガイドさんがボートを漕ぎながらいろいろ説明してくれます。
泳いでいる魚やカモなどの動物も見ることができて、子供たちも楽しめました!ただ、屋根がなく、暑い季節には日差しが強烈です。
その後、すぐ近くの大きい屋内マルシェで、野菜、果物、チーズやハム、魚、花、スパイス、パンなど地元の新鮮名産物が並んでいるのを見学し楽しみました。ちょっとした飲食スペースもたくさんあるので、子どもと休憩するのにちょうどよかったです。
コルマール・レストラン
Brasserie des Tanneurs
ランチで利用。友達と合流して、急遽6人で入れるレストランを探していましたが、どのレストランも4人までの席しかなく、ようやく入れる店を見つけ、10分くらい待った後、6人用の席を用意してくれました。フラムクーヘン、シュペッツレなど定番メニューが揃っています。
La Terrasse du marche
屋内マルシェの中にあり、テラス席が水路に面していて最高のロケーション。スペースがかなり狭く、2人席がほとんどで、4人席は数席のみ。それ以上は同席できません。予約不可。メニューはフラムクーヘンのみ。通路も狭くベビーカーは困難。雰囲気はとても良かったです!
コルマール・宿泊ホテル
Le cocon de Jules
旧市街とシャン・ド・マルス公園の間くらいにある住宅街の、アパートメント。エレベーターなしのため、荷物やベビーカーを運ぶのが少し大変でした。立地はとてもよく、観光スポットやスーパーはすべて徒歩10分くらい!エアコンがないので暑い日はツライです。窓をあけると風が涼しいですが、外の騒音が気になり、子どもの寝かしつけに支障あり。床や扉のきしむ音も気になりました。それでも部屋は、まるで本当にそこ暮らしているかのように過ごせ、朝食など、スーパーやマルシェで地元のものを買ってきて宿で食べることができ、良い思い出になりました。
④最高峰のジャムを求め「ニーデルモルシュヴィル」
ニーデルモルシュヴィル(Niedermorschwihr)は人口わずか500名ほどの小さな村。お菓子好きご用達の村で、唯一のお店は日本でも有名なジャムが作られている銘菓店「メゾン・フェルベール(Maison Ferber)」。
「すごくおいしいジャムのお店があるから、ぜひ食べてみてほしい!」と友達に教えてもらったのがこの村のクリスティーヌ・フェルベールさんのジャム。コルマールから車で20分くらい。このお店以外は観光地というわけでもない小さな村で、お店も1度前を通り過ぎてしまったほど、ふつうの見た目です。ジャムはいろんな種類があって壁一面に瓶が並べてありました。いくつか試食してみて購入。これから食べてみるのが楽しみです♪
⑤アルザスワイン発祥「エギスハイム」
アルザス地方の「フランスで最も美しい村」に登録されている村の中でも特に観光客に人気がある、エギスハイム(Eguisheim)。コルマールから車で30分以内のため、コルマールに行ったら是非立ち寄りたい村です。
村の旧市街はもともと城壁でぐるっと囲まれていて、その城壁あとにかわいい木組みの家々が並んでいました。狭い道の両脇にお花で飾られた家々が続き、360度どこを見渡しても美しかったです。村の中心は唯一の広場になっていて、お土産屋さんやレストランが数件あります。屋根の上に、コウノトリの巣を見ることもできました。この赤いくちばしのコウノトリは、アルザスでは「幸運を運んできてくれる鳥」とされ、お土産屋さんでもいろんな雑貨のモチーフになっていたため、実物を見ることができてとても嬉しかったです。子供たちも大喜びでしばらく眺め、特に印象に残っているようです。
アルザスおすすめのお土産
フランスのグルメな食材や、可愛い雑貨も豊富なアルザス地方のお土産。こちらも体験談で教えていただいた、「実際に購入したオススメのお土産」をご紹介します。
1:アルザスの陶器
とにかく見た目がかわいい!定番はクグロフの型やオバール型の鍋。大きさも色も模様も本当に様々。悩んだ結果、料理しているときにお玉などをちょっと置いておけるお玉置き?を買いました。大聖堂のすぐ近くの陶器屋(Poterie d’Alsace)は、行きやすいし種類も多くおすすめです。
2:フェルベールさんのジャム
海外セレブも買いに来たり、伊勢丹にも売っている、有名なジャム。ストラスブールやコルマールの街中でも買えると聞いたけど、見つけられず、本場のニーデルモルシュヴィル村まで行きました。種類が豊富で、安く買えます。
3:コウノトリグッツ
コウノトリモチーフがとにかく多い。コウノトリが上についている木組みの家のミニチュアと、バターナイフ、ぬいぐるみ、スノードームを買いました。円形タオルもたくさん種類があってかわいかったです。
4:人気スーパー「MONOPRIX(モノプリ)」
フランスの大手スーパー。バター、チーズ、とかボンネママンとかのお菓子などや、ワインは種類が多く、安いのでいろいろ買いました。雑貨や服もかわいい!
子連れも楽しい!アルザスの旅
アルザス地方の旅、いかがでしたでしょうか?旅行記を読んでいるだけで、その魅力ある木組みの家々や息を飲む美しい景観が、まるで目の前に広がるかのようです。
今回は未就学児のお子様ふたり連れのご旅行だったようですが、お子様たちも無理なく楽しい時間を過ごせたという体験もとても参考になりました。
旅行計画では、家族全員が楽しめる場所やアクティビティを選ぶことが、旅行を良い思い出にできる大切なポイントですね。