春になると、ドイツでも花粉症に悩まされる人が増えます。
ドイツ語で花粉症は「Heuschnupfen」 や 「Pollenallergie」と言い、特に、日本ではあまり馴染みのない花粉が原因となることが多く、ドイツ滞在数年たってからアレルギー反応が出てくるケースもあります。
今回はすぐに実践できる対策をまとめました!ドイツで花粉症に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
1. ドイツの春に飛散する花粉の種類

ドイツでは、春になると以下の花粉が多く飛散します。
- ハンノキ(Erle)(1月~4月)
- シラカバ(Birke)(3月~5月)
- ブナ(Buche)(3月~5月)
- ヘーゼル(Hasel)(3月~5月)
- イネ科(Gräser)(4月~8月)
特に、白樺(Birke)やヘーゼル(Hasel)の花粉症は強い症状が出る人が多いようです。花粉の飛散時期は地域によって異なるため、ドイツの花粉飛散予報をチェックするのが重要です。
花粉飛散予測ができるサイトご紹介
Deutscher Wetterdienst
(ドイツ気象庁)
Stiftung Deutscher Polleninformationsdienst
(ドイツ花粉情報サービス財団)
ドイツにはスギやヒノキが無いので、日本で花粉症に悩まされていた人が、逆にドイツでは快適に過ごせることも!
2. 自然療法|ドイツの花粉症対策

ドイツでは、自然療法(Naturheilkunde)が広く浸透しており、花粉症対策にも取り入れられています。
ハーブ療法(Phytotherapie)
- ネトルティー(Brennessel-Tee)
アレルギー症状を抑える効果が期待できる - カモミールティー(Kamillentee)
鼻の炎症を和らげる
ホメオパシー(Homöopathie)
- 花粉症治療用ホメオパシー薬
ドイツでは古くからホメオパシーが一般的に使われています。
自然療法(Naturheilkunde)
- はちみつ/プロポリス (Honing)
はちみつ(プロポリス)は、自己免疫力を高め、アレルギー症状が出にくい体を作るといわれ
ています。 - 生姜(Ingwar)
生姜は消炎効果がある。また、血行を良くするため、粘膜の血流を改善し、症状を緩和する効果があるとされている。スーパーで簡単に買える Ingwershot(生姜ショット)をもおすすめ。
塩水療法(Thalassotherapie)
- 鼻うがい(Nasendusche)を使って、花粉を洗い流す
- スチームバス(Dampfbad)
方法:洗面器に熱いお湯を張り、塩を小さじ 2 杯分入れます。バスタオルを頭からかけた状態で、洗面器の上に覆いかぶさり、蒸気を吸い込むドイツの家庭療法です。鼻詰まりがひどいときは。1~2滴、ユーカリオイル又はミントオイルを垂らすのも効果的です。 - ネブライザー・吸入器(Inhalation)で、霧状の生理食塩水を吸入するのも効果的です。
3. ドイツで購入できる花粉症の薬
ドイツでは、薬局(Apotheke)やドラッグストア(DM・Rossmann)で花粉症の薬が購入可能です。
抗ヒスタミン薬(Antihistaminika)
- Cetirizin-ADGC®
ドイツで一般的な抗ヒスタミン薬配合の内服薬。6歳から使用可能。花粉症やその他アレルギーによる、くしゃみ鼻水、涙目に効果がある。
目薬(Augentropfen)
- WALA® Euphrasia Augentropfen
ホメオパシーベースのユーフラシアエキス入りハーブの目薬。急性期の目の赤味や痒み、軽度の結膜炎に効果的で、生後 3 か月から使用可能。
- Livocab direkt Augentropfen bei Allergien
抗ヒスタミン入り点眼液。満1歳から使用可能ですが乳幼児への使用は小児科医への相談をお勧めします。
点鼻薬(Nasenspray)
※点鼻薬は、使用回数と使用方法を必ず守りましょう。過剰な使用は鼻粘膜を傷つけ、鼻炎を悪化させることがあります。
- Nasenspray AL 0,1 % bei Schnupfen
鼻粘膜の急性期炎症を抑えて、鼻水の生成抑制効果があるスプレー。満6歳以上にお使いいただけますが、長期にわたる使用は推奨されていません(2-6歳未満ではNasensprayAL 0,05 %が幼児用)。
- Livocab direkt Nasenspray bei Allergien
抗ヒスタミン剤入り点鼻薬で、満1歳から使用可能。
- MOMETASON ADGC® Allergie-Nasenspray
処方箋なしで買える大人用ステロイド系抗炎症剤。使用開始後、効果が出るまでに1-3週間ほどかかりますが、効果は大。子供への使用も可能ですが、強い医薬品のため必ず耳鼻科医に相談しましょう。
ドイツで普段から出来る鼻のケア
花粉症でなくても、乾燥やハウスダスト、寒暖差アレルギーなど鼻炎の状態が続いてしまう人は、日頃から鼻のケアを始めてみましょう。
- Bepanthen® Meerwasser-Nasenspray
皮膚の再生を促す効果のあるデクスパンテノール入り。年間を通して、鼻腔の粘膜の状態を整えて、鼻炎になりにくい鼻環境を作るのに役立ち、乳幼児も使えます。
- GeloSitin® Nasenpflege
乾燥して、ほこりや花粉などの外的刺激に敏感になっている鼻の粘膜をケアしてくれるオイルスプレーです。検査してもアレルギー反応がないにもかかわらず、鼻水が止まらない人におすすめ。鼻風邪予防にも◎
この記事では、ドイツの医療/育児/生活アドバイザーのMaddiさん監修の元、おすすめ市販薬をご紹介しています。

Maddie
海外生活(米/独)12年目。ドイツで得た医療知識やアメリカでの行動療法クリニックでのインターン(2年)、障害者支援職などで身につけた知識を基に、医療/育児/生活の相談・サポートを行っています。
@maddiebws
4. 花粉症に使えるドイツ語

ドイツの薬局(Apotheke)や病院で花粉症の症状を伝える際に役立つドイツ語表現を紹介します。
🗣 基本的な表現
- Ich habe Heuschnupfen.
▷イッヒ ハーベ ホイシュヌフェン。
(私は花粉症です。) - Ich bin allergisch gegen Pollen.
▷イッヒ ビン アレアギッシュ ゲーゲン ポレン。
(私は花粉にアレルギーがあります。)
症状を伝えるフレーズ
- Meine Nase ist verstopft.
▷マイネ ナーゼ イスト フェアシュトッフト。
(鼻が詰まっています。) - Ich habe eine laufende Nase.
▷イッヒ ハーベ アイネ ラウフェンデ ナーゼ。
(鼻水が出ます。) - Meine Augen jucken.
▷マイネ アウゲン ヨッケン。
(目がかゆいです。) - Ich muss ständig niesen.
▷イッヒ ムス ステンデッヒ ニーセン。
(くしゃみが止まりません。) - Mein Hals ist gereizt.
▷マイン ハルツ イスト ゲライツト。
(喉がイガイガします。)
薬を買うときのフレーズ
- Haben Sie etwas gegen Heuschnupfen?
▷ハーベン ジー エトバス ゲーゲン ホイシュヌフェン?
(花粉症に効く薬はありますか?) - Ich brauche ein Antihistaminikum.
▷イッヒ ブラウへ アイン アンティヒスタミニクム
(抗ヒスタミン薬が欲しいです。) - Gibt es ein Nasenspray für Allergien?
▷ギプト エス ナーゼンスプレー フュア アレアギー?
(アレルギー用の点鼻薬はありますか?)
5. ドイツでのマスク着用について

ドイツでは、日本のように花粉症対策としてマスクをつける習慣は一般的ではありません。新型コロナウイルスの影響で一時的にマスクの着用が広まりましたが、現在ではほとんどの場所で義務がなくなり、マスクをしている人は少数派です。
ただし、花粉対策としてマスクをつけること自体に問題はなく、特に公共交通機関や屋外での花粉の多い日には有効です。もし周囲の目が気になる場合は、屋外ではマスクをつけ、室内では外すなどの工夫をするとよいでしょう。
まとめ|ドイツで花粉症を乗り切るために
ドイツの春は、日本とは異なる花粉が飛散するため、しっかりとした対策が必要です。症状がひどい場合はかかりつけ医院(Hausarzt)に相談することをおすすめします。
花粉飛散情報を確認し、ドイツの自然療法や市販薬を活用しながら、つらい花粉症シーズンを乗り切りましょう!


