コロナ規制があった2年間の後、バカンス欲が溢れ出て、2024年はまだまだ旅行フィーバーのドイツ。
ホリデー業界では、人員不足の空港で相次ぐ、「長時間待ち」「フライトキャンセル」「ロストバゲージ」の話題が飛び交っています。
夏休みに入り、今年こそは旅行に行く予定の方も多いはず!
空港は何時間前に行ったらいいの…
もしフライトがキャンセルになったら?
本当にちゃんと旅行にいけるかな…
と、楽しみにしてたはずの旅行が不安になっている人もいるのではないでしょうか?
今回の記事ではそんな不安を少しだけ解消できる、事前準備をご紹介します。
ドイツの空港&フライトで何が起きているの?
特に問題になっているのが、デュッセルドルフ空港とケルン/ボン空港。
空港スタッフやセキュリティスタッフの、深刻な人員不足が大問題となり、2022年5月くらいからチェックインカウンターやセキュリティチェックでは長蛇の列が見られるようになりました。
※2024年2月現在は少し落ち着きが戻っています。
空港だけでなく、コロナ過で利用者が激減し、人員削減をせざるを得ない状態だった、ホテルやレストランなどのホスピタリティ業界では、現在、人員不足という同様の問題を抱えています。
それにより、旅行者にはかなりの影響が出て、結果以下のようなトラブルが発生することになってしまいました。
空港で長時間待ち
旅行者は増えているのに、スタッフの数が足りないことで、起きる対応の遅れが原因で、チェックインカウンター、セキュリティーチェックでは長蛇の列!
特に連休などの旅行シーズンはスタッフが少なくなります(日本では考えられないですよね・・・)
ケース例①:チェックインして荷物を預けるのに2時間。セキュリティーを抜けるのに2時間かかった。
(日本行き乗り継ぎ便フライト)
ケース例②:チェックイン手続きはすんなり済ませたのに、セキュリティーを抜けるのに3時間以上かかった。
(リスボン直行便フライト)
フライト乗り遅れ
長時間待つだけならまだマシ!!
数時間も待ったのに、それでもフライト時間に間に合わず、飛行機に乗り遅れてしまうトラブルも多発しています。

乗り遅れで搭乗していないケースを「No Show ノーショー」と呼び、チケットのキャンセル条件によっては、全額返金不可になることもありますが、このケースでは空港や航空会社は補償してくれません。
予約便がキャンセル
夏休みに入ってからはフライトの運航キャンセルも相次いでいます。
その理由には航空会社や空港の人員不足による、間引き運航が行われている背景が。
事前にフライトの運休が確定した場合には、航空会社から代替え便の連絡がはいり、無料で変更が可能です。
チェックインも済んでゲート前で出発を待っていたにも関わらず、フライトが急遽キャンセルになったドイツ在住の@doitsu.kurashiさんが、実際に体験されたフライトのトラブル。
インスタグラムに投稿されているのでご紹介します。旅行に行けなかった分の航空券代金は無事返金されましたが、レンタカーなどは残念ながら無駄になってしまったそうです。
ロストバゲージ
人員不足なのはセキュリティーだけではありません。荷物を運搬し、チェック、飛行機に積むまでの流れで必要なスタッフも足りず、現在は他の部門のスタッフや、さらにはパイロットが直々に搭乗者のスーツケースを機体に積んでいるというニュースも!
そのせいで、搭乗者はフライトに間に合ったとしても、スーツケースだけ空港に取り残された!間違って違う空港に行ってしまった!などのトラブルも発生しています。直行便フライトでも起こりえる事です。
トラブルを避ける5つの方法
現在の空港状況は完全に回避でできるものではありませんが、事前に準備しておくことで、「旅行に行けなくなった」という最悪なケースを逃れることができるかもしれません。


①事前にフライト情報を確認
前日くらいから航空会社や空港のWEBサイトで、予約便がキャンセルや遅延になっていないか確認しましょう。
フライトがキャンセルされたのに、連絡が来なかった!というケースもあります。
②とにかく早く空港へ行く
デュッセルドルフ空港の場合、現在空港へは出発4時間前に…と、言われていますが、実際、4時間以上かかったケースもあるので、何時に行けばいいの?!と不安になりますよね。
デュッセルドルフ空港では、夏季の間だけ3時₋3時半にチェックインカウンターを開けている航空会社もあるそうです。
出発の時間帯にもよりますが、当日は1日空港で過ごすのを覚悟に、夏休みの間は約4時間前後を目安に空港へ行くのが良いかもしれません。(1ー2時間でスムーズに行けた人もいれば、4時間以上かかったケースもあったりするので、あくまでも目安にしてください。)時間に余裕ある方が尚安心です。
③前夜にチェックインも可能!
デュッセルドルフ空港ではレイトナイトチェックインができる航空会社があります。
空港のサイトからどの航空会社が対応しているか掲載されているので確認しましょう。


④オンラインチェックインはMUST
出発の72-24時間前にできるオンラインチェックインは必ず済ませましょう。航空会社によってはバゲージドロップのカウンターがあるので、チェックイン済みの場合は、預け荷物をバゲージドロップで渡すだけで済みます。
⑤できるだけ手荷物に
ロストバゲージを避けるためにも、預け荷物の手続きの時間を減らすためにも、手荷物だけに抑えるのがベスト!
通常、1人1つ手荷物サイズのスーツケースにハンドバック(大きすぎないリュックもOK)を持ち込めますので、できるだけ、手荷物だけに収めましょう。
空港によってはターンテーブルで荷物を受け取る際にも1時間ほどの待ち時間があるそうです。
問題発生!こんな時どうする?


乗るはずの便がキャンセル
キャンセルの連絡が来たら、航空会社または旅行会社からの代替え便があるか否かを確認します。
代替え便がオファーされておらず、どうしてよいかわからない場合は航空会社のコールセンターに電話。あるいは空港にある航空会社のチケットセンターに行って代替え便の手続きをしてください。
いずれも連絡が取りにくくなっていますが、航空券は発券した旅行会社か、実際に乗る航空会社しか変更ができません。
また原則、航空券は発着地を変えることはできません。
例: デュッセルドルフ→フランクフルト→ローマの航空券
デュッセルドルフ発の乗り継ぎ便がキャンセルになったとして、車でフランクフルトまで行ってそこからローマ行きに乗る。という事は、再発券なしでは原則できませんのでご注意ください。
乗り遅れそうなときは?
まずはダメ元で航空券を見せて近くのスタッフに相談しましょう。機転を利かせて別のカウンターやセキュリティを開けてくれるかもしれません。
それでもダメなら、同じく航空会社に電話で伝え、完全に間に合わない場合は、出発の時刻が過ぎてしまう前に変更手続きします。変更が可能なチケットでも、出発時間を過ぎるとNo Show扱いで航空券が無効になる場合もあります。(出発時間後でも変更手続き可能な種類も有)
ロストバゲージになった
ロストバゲージの際は必ず、ターンテーブル近くにあるLost Baggageのカウンターで手続きをしましょう。
荷物は戻ってくる
ロストバゲージでも完全に紛失してしまうケースは少ないです。早ければ翌日くらいには旅先の空港に到着しますが、見つかるまでに日数がかかる場合もあり、最終的に旅行後、自宅に戻ってから受け取るケースもあります。
必需品の買い出しは請求を
旅先でロストバゲージにより、必要なものが手元なかった場合は、現地で調達して、後日航空会社に請求することが可能です。下着や洗面用具、薬などが含まれます。購入の際は必ずレシートを保管しましょう。
ロストバゲージに役立つアイテム
Air Tag エアタグ
まだ知らない人も多いAppleの「Air Tag エアタグ」。鍵やバッグにつけておけば、iPhoneで位置情報が確認できる優れものです! 世界中どこにいても無くしたものが見つかる便利なアイテム。欧州在住者の中ではロストバゲージ対策として話題になっています。これをスーツケースの中に忍ばせておけば今どこにあるのかが分かって安心です。
更新:2022.7.10【お詫び】航空会社確認のところ、通常の電子機器の取り扱い同様(リチウムイオン電池使用)、預け荷物に入れる際は完全に電源を切る必要がありますため、実際にはAir Tagをロストバゲージ対策としては使用できないことが分かりました。
\気になるAir Tag エアタグ/
ネームタグ
普段付け忘れていることも多い手書きのネームタグ。こちらは荷物の所有者確認にも必須ですので、これを機にすべての荷物につけておきましょう。
元添乗員の知恵袋



ヨーロッパの添乗員をしていた頃、自分がロストバゲージをしたりしていてはお客様を待たせて迷惑をかけてしまう!という不安から、8日間など長期のツアーでも必ず、手荷物だけでフライトに乗っていました。
- とにかく荷物は少なめに!
- 機内へはサブバックも使う!
- 念のため…のアイテムは不要!
- なんでも現地で調達する!
- フライトの日はできるだけの服を重ね着し、かさ張る上着は羽織る!(靴下も3枚履きしちゃおう。笑)
空港の待ち時間は逃れられませんが、空港からもう旅は始まっています。
トラブルも旅の醍醐味。イライラしては旅が台無しになってしまうので、「こんな大混乱の空港を見られる機会はもうないかも?!」と思い出のひとつとして笑って見過ごしてみましょう。
スムーズな良い休暇になりますように。





